前出ではWindowsとLinuxの二つのパーテーションを作成してのインストールをやりましたが 、今回はHDに余裕がなくてWindows分の容量がとれないケースです。
使用したのは富士通のFMV-5120NU2/Wというかなり古いノートで、HDが1GBしかないのでLinuxしかインストールするつもりはないのですが、やはりCDドライブを内蔵してないので普通にインストールは出来ません。
で、今回はネットワークインストールにチャレンジしてみます。 今回もインストールするのはVineLinuxです。
LAN上にあるサーバーのCDドライブを共有してインストールを行うというやり方です。
LANは富士通純正の「FMV-J182A」というPCMCIAのLANカードがたまたまあったのですが、ありがたいことにLinuxで無事認識してくれました。
ネットワークインストールは大きく分けて2種類あります。
第1はNFSサーバーというLinuxのサーバー機能を使うやり方。もちろんLinuxが走ってるCDドライブ内蔵のPCがLAN上に必要です。
第2は普通にFTPサーバーとかHTTPサーバーとかでファイルを共有するやり方。こちらは機能してさえいればLinuxでなくともWindowsサーバーでもOS/2(懐かしい!!)サーバーでも構いません。
基本的に後者はサーバーを立ち上げる能力があれば、LAN上でCDドライブを共有化してインストールに使うことくらいは問題ないと思いますので説明を省略します。
NFSサーバーはLinuxが走ってるPCであれば簡単に機能させることが出来ます。
今回はVineLinux2.1で動くディスクトップを使用しました。
まず当たり前ですが以下の作業はrootでログインするかSUで作業してください。
1)
/etc/exportsを開きます。デフォルトでは完全に白紙のファイルのはずです。
このファイルに書き込まれたディレクトリが共有となりますので、今回は現在マウントしてるCDドライブを書き込みます。
/mnt/cdrom (ro)
保存してください。
2)
NFSを起動させるために以下を実行します。
/usr/sbin/rpc.mount
/usr/sbin/rpc.nfsd
実際は次の3)を行えばこの2)は必要ないような気もするのですが2)無しではうまくいきませんでした。
ちなみにこの後
/etc/rpcinfo -p
を実行するとリストでNFSが起動してるのが確認できます。
3)
次に以下をタイプしてサーバーの設定は完了です。
/etc/rc.d/init.d/nfs restart
つぎにネットワークインストールのためのブートディスクを作成します。
LinuxのバイナリCDをCDドライブに入れ、Windowsの場合はDOSプロンプトでCDの中のimagesディレクトリをカレントにします。
インストールするのが通常のPCの場合は
D:\images> ..\dosutils\rawrite.exe -n -f bootnet.img
-d a:
とタイプしますが、今回はノートでPCMCIAのLANカードを使いますので
D:\images> ..\dosutils\rawrite.exe -n -f pcmcia.img
-d a:
とタイプしてブートディスクを作成します。
ちなみにLinux上でブートディスクを作成する場合はそれぞれ以下のようにタイプします。
# dd if=/mnt/cdrom/images/bootnet.img of=/dev/fd0
bs=512 count=2880
# dd if=/mnt/cdrom/images/pcmcia.img of=/dev/fd0 bs=512 count=2880
いよいよインストール開始です。
LANケーブルで接続してLAN上にノートPCを組み込む準備をします。
サーバーのCDドライブにLinuxのバイナリCDを入れ、ノートにブートディスクを入れます。
ノートの電源を入れればブートディスクを読み込んでインストールを開始します。
ネットワークインストールで変わる部分のみ以下に書きます。
1)
ネットワークインストールがどのサーバーから行われるのか聞いてきますのでNFS・FTP・HTTPのいずれかを指定します。
2)
ノートをLANに組み込むためのアドレス設定が必要になります。
自分のLANにあわせてノートのローカルアドレス等の設定をします。
3)
サーバーのアドレスとインストールファイルの場所も必要です。
今回のNFSサーバーでの場合は、ファイルの場所は
/mnt/cdrom
となります。
【追記】2002.5
VineLinux2.5が正式に発表されました。
早速インストールしてみましたが2.15との違いが有りましたので書いておきます。
PCMCIAカードでインストールする場合のブートディスクは2.15ではpcmcia.imgを使用しましたが、 2.5ではPCMCIAカードを使用する場合でも2種類に分けられています。
PCMCIAカードでHDやCDを接続しそこからインストールする場合と、PCMCIAのLANカードを使用してインストールする場合です。
ここに記述したLANカードを使用する場合は2.5ではpcmcianet.imgを使用しますので、上記のブートディスク作成時のコマンドを変更してください。
# dd if=/mnt/cdrom/images/pcmcianet.img of=/dev/fd0
bs=512 count=2880
また、pcmcianetと9文字になっておりDOSプロンプトでは文字数制限を越えていますのでこのままでは使えません。
あらかじめDOSでのファイル名を確認してから作業してください。
ちなみに私の確認ではpcmci~22.imgでした。
D:\images> ..\dosutils\rawrite.exe -n -f pcmci~22.img
-d a:
|